トリミング 専門学校の地道な運動
これまで述べてきたことは、デジタル情報革命のいわば「光」の部分であるが、同時に「影」についても触れなくてはならない。
第一に、IT革命とFT革命(フィナンシャル・テクノロジー、つまり、デリバティブの開発など、金融工学の発展による金融ビジネスの革命的変化)が組み合わされると、巨額の資金が国境の壁などは一切無視して瞬時にシフトするようになり、国際資本市場が不安定化するという問題がある。
アメリカの株式市場がブームに沸いており、一部では「バブルではないか」といわれている。
もちろんIT革命をもてはやし、特定分野の株が猛烈に買われたためだが、これはすでに詳しく述べたように、それなりのしっかりとした根拠のあることだから、完全なバブルと決めつけるのは正しくない。
しかし、FT革命によって、巨大な資金が国際間を移動する現象は、バブル的な側面を増幅させることになる。
FT技術を豊富にもっているヘッジ・ファンドなどの組織がいち早く情報をキャッチし、極端な資本シフトを起こす。
実際に97年に起こったアジア通貨危機は、まさにその帰結のひとつの具体例であった。
一国経済をはるかに上回る巨大な資本が、瞬時に国際間を移動することによって、当該国の経済に決定的ともいえるダメージを与え、国際経済体制を不安定に陥れたのである。
したがって、IT技術とFT技術が、車の両輪として組み合わされ、デジタル情報革命を推進していくとしても、「所得の二極化」という不安定化現象に加えて、こうした国際的な資本主義体制の不安定をもたらす可能性があることを見逃してはならない。
この問題について、先進国が協調し、巨大な資本の投機が起こらないようにしなければならない。
いまのところ、FT技術で圧倒的な強みをもつアメリカは、規制強化は国益に合わないと、国際資本の移動に対する規制には反対の立場をとっている。
しかし、日本はどうするか。
これからの国際政治力学の大きな課題である。
第二に、プライバシー保護の問題がある。
情報革命によって「個人化情報」が企業の側に蓄積されていくと、「誰がいつ、どこで、何を、いくらで買ったのか」といったプライバシーにかかわる情報が多くの人の目にふれる危険が高まる。
市民革命によって為政者から自由になった個人は、今度は情報革命によってプライバシーを侵され、自由を失うことになるのだろうか。
プライバシーを守る法体系や国際協定の整備が早急に求められている。
第三は、セキュリティ(安全性)の問題である。
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